**No.9**

HRが終わったとたん由梨たちが集まってきた。

「尾崎ってカッコ良くねェ~?」

「ぇ?マジ?俺そんなこと言われたの初めて。」

「ぇ~マジ?あたしモロ好みだしぃ~。」

「尾崎って彼女いる?」と由梨。

「今はいないよ~。なんなら俺と付き合う?なんちゃってw」

すると由梨は「ごめ~ん。無理~wあたし付き合ってるから~。3-Cの大羽

駿v」


・・・・



え?駿?

そんな・・・

駿は由梨の事好きじゃなかったのに・・・

前はずっとあたしと一緒にいたのに・・・

この事を聞いて一気に耳を研ぎ澄まして話を聞いた。

「2ヶ月前にイキナリ告ってきたしね~。」

2ヶ月前・・・か。

駿が・・・あたしと仲を切った日だ。

・・・やっぱり駿も表面上の友達だったのか・・・

他のやつらと一緒で・・・

だから・・・

「ねぇ~、千沙はなんで話に入ってこないわけ?」

裕二があたしに聞いてきた。

由梨がこっちを睨んでいる。

気まずい空気が流れてる・・どうしよう。

どう言い訳を作ろう・・・

まさか素直にイジメられてるなんていえないし・・・

「あ、あの・・・あたしあんまそゆ話しないから。」口から勝手に言葉が出た。

「あ~ほんと。」

良かった。

なんとか逃げ切れた。

「じゃ話変えよっか。」

はい?!

「ぇ・・このままでいいじゃん。」由梨が急いでそう言った。

「みんなで楽しく話すのが一番だって。」裕二が言った。

さすがにヤバいと思って、「裕二、ちょっと向こういかない?」

と言って廊下に連れて行った。

「裕二、あのね、あたし由梨にハブられてるからあんま喋ったりしない方がい

いよ?」内心こう言うことをためらった。

友達が欲しいという強い気持ちに半ば押されつつも気持ちを振り切ってそう

言った。

「そっか~。」裕二の返事を聞いて、これで良しと思いたかったがそうもい

かなかった。

やっぱりつらい。

「でも俺そんな事出来ねぇ。」裕二が言った。

「でも・・・裕二が何されるかわかんないんだよ?」

なんだか泣けてきた。

涙か止めどなくポロポロ出てくる。

「泣いてる子ほっとけねぇよ。」

そう言うとあたしの頭を軽く叩いた。

「・・・だって・・・だって・・・もう誰もこんなめに遭わせたくない!!あたしもこ

うなる前由梨達と一緒に同じ事やってた。でも・・こんなにツラいとか思っても

見なかった・・・!!!」涙声で一生懸命喋った。

「ツラいって事分かっただけで十分じゃん?自分だけつらい思いしなくていい

っしょ。」裕二はそう言うとにっこり笑った。

その顔が・・・いや裕二の存在があたしを救ってくれた。 **続く**


























































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